今年、第140回芥川賞作品である”ポトスライムの舟”、読破しました。
思いのほか文芸書にしては、1ページあたりの文字数が少なかったので、
読破するのにかけた時間は少なかったものの、
何か所か何度も読み返さざるを得ない部分もありました。
それが関西弁。
普段聞き慣れていないこともあり、またまわりにそんな人がいないこともあり、
何度も読み返して、意味の確認もしましたよ。
思えば最後に関西弁聞いたの・・・おばあちゃんの主治医の先生だったかな。
さらに、文中出てくる登場人物の話した会話も、きっちり「」がなくて、
ええやん、いまさら、とりつ子はいい続けるが、・・・というように続くので、
どこでどのように自分が納得したらいいのか、リズムをつかむまで意外と
かかりました。
でも、ストーリー展開は今の自分に容易に染み渡るものでした。
契約社員のナガセは工場の月給138,000円。
世界一周というポスターを見つけ、費用の163万円貯めるべく、
友達のカフェでのバイト代と、パソコン講師として働いている講師料だけで、
生活しようとした矢先・・・
1年更新とはいえ、私も契約。
お給料も税金や何やかんやで引かれるとナガセ以下。
バイトもしていないから、思えばナガセ以上に不利かも。
ナガセは保険をかけていないようだし、車もないようだし・・・
ま、それはさておいて、
私もちょっとお給料の使い道、考える岐路に来ていると思わされた感ありありです。
作者の津村記久子さんが自分と同い年で、就職氷河期を経験していることから、
とっても自分に親近感を感じさせるもので、普通の日常、でも社会問題が
ちりばめられていて、それでいて淡々と書かれていることに、感動しました。
普通さに感激です。
日々の何気ない時間の移り変わりを文に表すというのは、
難しいと思うのよ。
上を見て羨むか、下を見て満足か・・・
あぁ~、ダメダメ。
またため息出ちゃう。吸い込まなくっちゃー!!